※この度、YouTube公式チャンネルに動画を掲載しましたので、改めてご案内申し上げます(2021年10月15日)

 

2021年6月30日

 

 昨年2月、我が国では新型コロナウイルス感染者が報告され、これまで3度の感染拡大の波が訪れ、現在“第4波”とも言われる状況にあります。これに対する感染防止対策は明確化されておらず、マスクの着用、手指消毒、うがいの励行、3つの密(密閉・密集・密接)の回避、外気取り入れによる室内換気の確保が奨励されています。また、世界保健機関(WHO)が空気中に浮遊するエアロゾルによる感染について否定できないという見解を示している状況で、日本の空気調和・衛生工学会(SHASE)、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)からは、換気やエアフィルタの重要性が提言されております。

 

 今回、当社では建築設備に関連した感染抑制に役立つ方法として、室内における空気中の浮遊粉塵に着目し、換気回数(外気取入量)、エアフィルタ、加湿による浮遊粉塵の除去効果を定量把握するための検証を実施いたしました。
 検証環境は、自社オフィスに間仕切りをして構築した室面積20㎡(室容積54㎥)の空間で、微量の煙を連続発生させながら各種測定を実施しました(図1)。
 検証では、一般居室で設計される換気回数2回/h・プレフィルタの搭載に対して、換気回数を増加した場合(8回/h)、エアフィルタを追加した場合(中性能・高性能・HEPA)、室内を加湿した場合(相対湿度40,50,70%)の浮遊粉塵量を比較して除去率*を把握することで、SHASEやASHRAEが提唱している換気、エアフィルタ、調湿に一定の効果があることを確認いたしました(図2)。
 各種対策による効果をわかりやすく把握するため、上記実験とは別で室内に煙を充満させ、その煙の消失状況を撮影した動画を公開させていただきます。
 

▲換気回数・フィルタ性能の違いによる粉塵除去動画のご紹介(音声なし)

 

 新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、各種対策が講じられるなか、特定条件下での結果ではございますが、対策や検討の一助になれば幸いです。引き続き、お客様の施設の感染防止対策へのご提案を進めてまいります。